代表コラム

2024.01.25

<コラム>【一蓮托生】Vol.37 日本の金融資産1,200兆円の消費拡大について

コロナという感染症が過去のものとなりつつあり、2024年もスタート致しました。
国内の証券市場は日本企業の割安感からバブル後最高値を更新するなど好調な出足となった。
今回は日本の金融資産1,200兆円の行方から、観光関連が今年1年どのような動きを見せるかなど、私見を交え語っていきたい。

 

国内金融資産1,200兆円の行方の前に、まず日本人のタンス預金や投資リテラシーについて語っていきたい。

 

<日本人の投資リテラシー>

日本人は勤勉な性格と災害が多い立地条件の特性上、万一に備え無駄を省いて貯蓄を正義とし、さらに子孫に財産を残すことが美徳とされてきた。
私たち日本人は子供のころから、投資=ギャンブル(危ない)という定説のもと、足し算引き算は学ぶが、決して投資教育を受けることはなかった。仮に日本の小学校で株式の投資の授業などを行えば大問題になるほど、投資=ギャンブル的な思想が今も根付いている。

 

故に、私たちは大学を出るまで、一度も投資教育を受けずに社会に出る人がほとんどである。
自ら独学で勉強された方を除けば、日本国民のほとんどの資産運用は素人同然である。
ここが最大の問題点と考えるが、ここをいま議論しても仕方ない。

 

私たちが社会に出てからの資産形成や運用はどのように学んでいけばよいか?
それは独学勉強する以外にない。

 

最近、20代の比較的若い方とお話をするが、意外と投資に対して興味を持っている方が多い印象がある。
国内株式投資、ETF、外貨預金、貯蓄型保険、仮想通貨などの仕組みを自ら勉強し、その勉強をもとに小さく投資し、結果世の中の流れや資産運用を実践しながら自らの資産形成を行っている。

 

一方高齢者については、同様の投資商品は敬遠されがちである。

 

私が思うに、高齢者と若者との決定的違いは、アナログ世代とデジタル世代の違いではないだろうか?

 

過去の株式取引の主流は、証券会社の担当に来店や電話で相談し、口頭や書面で受発注を行う。
国内高齢者のデジタルの適用が著しく遅れている。デジタル=わからない=難しい=怖い=危険など
私から言わせれば、出し入れが自由な普通預金や、タンス預金の方がよっぽど危険である。
だから日本では「振り込め詐欺」なるものが、未だに後を絶たない。
普通に考えれば、緊急的に大金が必要になることなどほぼ皆無であるにも関わらず、万一に備え銀行の普通預金や、タンス預金が大半とされているのが実情である。

 

参考データとして、
昨年6月末時点の年代別NISA口座の開設率では、30代が27.8%をピークに年齢が高くなるほど減少していることがデータでわかる。人生100年時代に突入してもなお80歳以上の口座開設率は、0.4%と1,000人に4人という驚きのデータである。

 

一方、国内の金融資産1,200兆円の大部分を60歳以上の高齢者が保有している。
結果、今回の新NISAで高齢者が持つ金融資産が投資に回る可能性は極めて低いだろう。
(今後高齢者の方がタンスや銀行に保有する預貯金が金融市場にどのように流通させられるかが焦点)

 

次回、これが観光産業にもたらす影響についても考察してみたい。

 

■プロフィール■
氏名 
田村佳克 1973年生まれ
出身地 
世界に誇る観光都市 京都 
(生まれは舞鶴市)
兄弟 
3人兄弟(末っ子)
現職 
当社代表取締役 兼 親会社/
事業管掌役員
趣味 
ゴルフ、読書、体幹トレーニング
(ピラティス等)他
特技 
早寝早起き
座右の銘 
群軽折軸(ぐんけいせつじく)

※小さな力でも数が集まれば大義を為せる