代表コラム

2023.12.21

<コラム>【一蓮托生】Vol.36 地域活性化の糸口④ ~古民家再生の是非2~

地域活性化の糸口➂ ~古民家再生の是非2~

 

前回からの続きになるが、検査済証のない建物は、世の中に五万と存在するが、当該建物を事業として活用する場合、当社のような上場企業では、そのリスクを許容できない。
(順法性を担保しない建物による宿泊施設運営や、単なる改修工事は論外として進める)

 

ならばどのように改善すべきか考えてみたい

 

①解体して新築する
とても簡単である一方、風致地区など景観保存が必要な城下町などでは適さない。

 

②建物の構造計算、順法性を担保できる改修工事と再認可の手続きをする
前回でもふれたが、莫大なコストと時間を要する割には、投資効率が良くない。

 

③建て替え+旧部材の再利用
建て替え前提であるが、旧民家で使用していた、柱、屋根、瓦などの部材を再利用する。

 

時間とお金をかけることができれば②がベターではあるが、今回は➂の歴史ある柱、瓦、障子、襖などの部材再利用について、少し掘り下げてみたい。

 

私たちもこれまで①や②の手法に拘ってきたが、①では芸がなく時代に相応しくないし、また街並みの景観を阻害する可能性が高い。②については、時間とお金をかけたとしても、順法性を担保できない可能性があるため、結果無駄な投資に終わってしまう可能性がある。

 

ならば➂の手法ならどうか?中長期の視点で見た場合、「建物の順法性」、「アセットの流動性」、「宿泊施設の競争力」が確保できる可能性が高い為、とても魅力的な施設に変貌できる。

 

当社では➂の手法をもとに、島根県津和野町の古民家をリプレイスする取り組みをスタートし、今後の事例になればと考えている。(経過はまたお話したい)

 

今後当社は、「日本で魅力的な街づくりがなされている城下町」にフォーカスし、地域再生手法を進めていく考えである。当然そこでは建て替えの制限や、街の景観条例など様々な関係法令をクリアしなければならず、これには自治体の協力は欠かせない。

 

その事例となる取り組みを島根県津和野町で開始している。現在同地域で宿泊施設を運営しているが、以下の取り組みを進めているのでぜひ注目頂きたい。

 

<地域活性化モデルの取り組み(一例)>

◆ 築40年の宿泊施設を「ゆとりろ津和野」としてリブランド
→地域活性化モデル第一号として2023/04オープン→従前の2倍以上の宿泊者と売上

 

◆ 未利用地に外国人旅行者をターゲットにした高級路線のホテルを増床中(来年オープン)
→40平米弱の全室露天風呂付客室をリリース

 

◆ 地元の沙羅の木との提携を開始し、この地の伝統工芸である「紙すき体験」で連携
→町の魅力発信と、地域の消費拡大へ

 

◆ 同施設の隣地に旧家を活かした滞在型の古民家をリプレイス(来年オープン)
→現在計画中で、「清潔感ある古民家ステイ」を実現予定

 

地域活性化とは、
「地域に人を呼び込み」、「その地の消費を促し」、「その地で働く若者を増やし」、「その地への定住者の増加に繋げていくこと」である。(当社の事業は社会的に意義があると自負している)

 

「日本の魅力は地方にあり」

 

2024年もこの思想を使命として、観光産業の問題解決者のリーディングカンパニーとしての役割を果たしていきたい。

 

■プロフィール■
氏名 
田村佳克 1973年生まれ
出身地 
世界に誇る観光都市 京都 
(生まれは舞鶴市)
兄弟 
3人兄弟(末っ子)
現職 
当社代表取締役 兼 親会社/
事業管掌役員
趣味 
ゴルフ、読書、体幹トレーニング
(ピラティス等)他
特技 
早寝早起き
座右の銘 
群軽折軸(ぐんけいせつじく)

※小さな力でも数が集まれば大義を為せる