代表コラム

2024.02.08

<コラム>【一蓮托生】Vol.38 シニア世代の保有資産の行方

先述の通り、国民資産が証券市場に流通するか否かでいえば答えはNOであろう。
10代を除いてNISA口座開設率でもっとも低いのが、70歳代、その次が60歳代である。
このデータが示す通りアナログ世代である60代以降の投資意欲は旺盛とは言い難い。

 

とあるデータでは「シニア世代」のお金の使い道は、以下のような結果であった。

1位.趣味や習い事
2位.旅行
3位.子や孫へのプレゼント、援助など
4位以下 服飾費、美容費、マッサージなどリラクセーション、観劇や映画鑑賞
本・DVDの購入またはレンタル、外食、カラオケ、貯蓄

 

このデータにあるようにやはり保有資産の大部分を占める「シニア世代」は、趣味や習い事が1位となり、
投資はランク外であったこととつじつまが合う。

また、2022年の保有資産の有価証券割合は15.5%と20%を切っている。(参考63.8%は定期を含む銀行預金)

 

当然かもしれないが、「シニア世代」の投資意欲は極めて低く、預貯金などが証券市場に回る可能性は低い一方、
将来の不安による若年層の投資意欲はデジタル慣れも鑑み、今後さらなる活性化が期待できるかもしれない。

 

そして、今回注目したいデータは2位の旅行である。

 

簡単に年齢別のイベント及びお金事情を整理してみるが、
一般的には20代後半から30代にかけて婚期を迎える。
その後、出産、育児さらに、マイホーム購入など稼ぎの多くは家族向けに注がれる。
その後、高校や大学に進学するにつれてさらに家計の負担が増え、
これまで専業主婦であった方がパートに出たりし家計を支えるなども一般的である。
さらに子供たちが大学に入学し、その後卒業が見えるにつれ、徐々に金銭的余裕が出始める。
結果、親としての役割は徐々に終焉を迎える。(この時期以降に熟年離婚が増える理由も納得できる)

 

子供が自立を始める年齢は早い方で40代後半から、遅くとも60代前半にその役目を終えるだろう。

 

これまでの仮説を整理するが、

 

①遅くとも60代前半には子育てを終える(平均55歳)
②シニア世代の保有資産は、全体の60%以上
③シニア世代の投資意欲は年々減少する
④シニア世代のお金の使い道は、趣味や旅行が上位を占める

 

少子高齢化、さらに物価高でも賃金が上がらない現在の構図の最大の問題は、
高度成長期の家電や車など世界の生産工場ともてはやされた時代と違い、
現在、日本が世界で戦える商品を提供できていない点に起因すると考える。

 

そんな悲観的な状況でも、国内の観光は世界と戦うことができ、
「シニア世代」の余暇創造は今後も右肩上がりで増えていくことはこれまでのデータが示す通りである。

 

今後「シニア世代」の資産が、自身の死後に相続税で国に納付されるのではなく、
自身の豊かな人生、家族や友人との大切な時間に費やされる傾向はさらに顕著になるであろう。

 

少々手前みそではあるが、
当社が挑む分野は、世界で戦える商品=リゾートエリア(地方)での観光分野、さらに23年以上続く
別荘のタイムシェアの仕組みは、シニア層の余暇創造という分野において今後も強みを発揮することは間違いない。

 

他者が追随できない独自のポジショニングを強みに時代と共に変化するニーズをいち早くキャッチし、柔軟な商品構成を提供していく予定である。

 

<NISA口座開設件数/年代別割合>

■プロフィール■
氏名 
田村佳克 1973年生まれ
出身地 
世界に誇る観光都市 京都 
(生まれは舞鶴市)
兄弟 
3人兄弟(末っ子)
現職 
当社代表取締役 兼 親会社/
事業管掌役員
趣味 
ゴルフ、読書、体幹トレーニング
(ピラティス等)他
特技 
早寝早起き
座右の銘 
群軽折軸(ぐんけいせつじく)

※小さな力でも数が集まれば大義を為せる