代表コラム

2024.02.29

<コラム>【一蓮托生】Vol.40 地方の人口減少②~観光事業者視点から見る対策~

地方の人口増加なくして、日本の発展はないと考えています。
昨日発表された2023年の日本の出生率は、75万8,631人と過去最低を更新。一方1年間で死亡した人は159万503人と過去最高となった。つまり1年間で国内の人口が83万1,872人減少したのである。

 

この事実を直視したときに、人口減少とさらに高齢化が進むのは火を見るより明らかである。

 

ならばその有効打とはどのようなことが考えられるのか?
観光事業者視点で少し検証をしてみたい。

 

先に大枠での結論としては、2つしかないと考える。

 

1つは地方における国内人口を増やす。
もう1つは海外からの移民を受け入れ国内の人口を増やす。

 

まず、日本の人口(特に地方)を増やすためには、税金で差別化する方法がわかりやすい。(例:所得税・住民税の差別化。平等の原則でいえば還付方式も可能。)

 

また、現在の日本においてダイバーシティを加速させる。
(例:卵子の凍結、精子の凍結、婚外子などなど)

 

当然、これまでの日本の風習からすれば、受け入れがたい取り組みもあると思うが、もうそんな悠長なことを言っている場合ではない。

親が子供を育てるのは当たり前であるが、地域や社会が子育てを担っていくことも必要である。

託児所や保育所、学童保育など様々な取り組みは現在もあるが、ここはもう一歩踏み込んで地域のコミュニティを通じ、子育ての終わったシニア層がそのお手伝いをする機会などももっと増やすような取り組みなども有効だと思う。

 

 

<移住/特定技能の受け入れ拡大について>

現在の永久ビザの発給条件を調べてみた。(以下参照)

内容としては抽象的であり、昨年国内で永久ビザが発給された数は129万人と前年比から14倍増えている。

これはコロナによる水際対策の緩和の影響が多分にある模様。

今後海外からの移民受け入れ、特定技能の緩和(拡大)は階級的速やかに行わなければならない。

 

 

以下国内のビザ発給要件
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・法律を遵守し、日常生活においても住民として社会的に非難されない生活を送っていること。
・立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること。
・日常生活において公共の負担にならず、将来において安定した生活が見込まれること。
・その者の永住が日本国の利益に合すると認められること。
・原則として引き続き10年以上日本に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要します。
・罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。
・公的義務(納税、公的年金、公的医療保険の保険料の納付、出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。
・現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。
・ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。
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島国である日本、事実上単一民族である日本にとって移民の受け入れは容易ではない。
しかしながら、日本の人口が増えない以上、国力を維持するためには、移民政策の見直しは急務である。

ここまま日本の人口が減少し続けると起こりえる事態として、国力の低下、地方の限界集落の増加、

さらには、海外からの侵略すら起こる可能性がある。

このような危機的状況にも関わらず、残念ながら現在の国政は裏金問題で右往左往している。

 

 

明治時代から続く議院内閣制の限界でもある。(国のリーダーすら国民が選べない)
これまでの補助金をばらまくだけの政策では何も変わらず、既得権者が増えるだけである。

 

現在の国政は事実上機能不全と言わざるを得ないため、まず出来る事として、日本の人口増加に向け、特に地方での子育て支援を加速させ、早期に難関の出生者数100万人回復を目指すべく自治体ごとの成功事例を増やしていってほしい。

 

前回触れた明石市の事例などもとても参考になる。

 

・地域が子供を育てる施策を自治体ごとに加速する
・地方での育児への税制面の優遇を行う(還付金制度等)
・地方の高校、大学への補助金割合を増やす(都市部はその分減額等)
・熊本のような企業誘致を行い、人口を増加する
・企業版ふるさと納税の見直し(都市部→地方への還流)

 

今はこのようなことに頭を巡らせている。

 

世界的にも類を見ない、美しい観光資源を保有する日本に、輝かしい未来が訪れることを切に願う次第である。
私たちは観光産業の活性化を通じて、さらに日本の魅力をPRしていきたい。

■プロフィール■
氏名 
田村佳克 1973年生まれ
出身地 
世界に誇る観光都市 京都 
(生まれは舞鶴市)
兄弟 
3人兄弟(末っ子)
現職 
当社代表取締役 兼 親会社/
事業管掌役員
趣味 
ゴルフ、読書、体幹トレーニング
(ピラティス等)他
特技 
早寝早起き
座右の銘 
群軽折軸(ぐんけいせつじく)

※小さな力でも数が集まれば大義を為せる