代表コラム

2024.10.17

<コラム>【一蓮托生】Vol.56 潮目が変わった地方観光の苦悩

長きにわたるコロナが明け、地方の観光は活況を帯びていることは間違いないが、それに反し、どこのホテル旅館も苦慮しているのがお客様1人当たりの単価の伸び悩みである。

更に、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した各種原価の高騰は歯止めがかからない。

 

・水道光熱費高騰
・食材仕入れの高騰(昨今ではお米価格はこれまでの1.5倍程度)
・アメニティなどの仕入れ高騰(プラスチック類などは特に高騰)
・代理店手数料の値上げ(某OTAはボーナスプログラムと称し、手数料を多く支払った施設の上位への表示等)
・人件費の高騰(人手不足に起因するものも含め)

 

このようにお客様1人当たりの客単価が上がらない中、施設側は上記のように仕入れ原価が日増しに上昇してきているのである。
更にコロナ期間中に借り入れた運転資金の元本返済の開始、付加価値交付金という悪名高いばらまき制度により、更に自力を失っている。

 

このような状況にも関わらず、オペレーション効率の改善(生産性向上)などの取り組みは極めて消極的であるから、利益率が低下し、今後一定数の施設は廃業等に追い込まれるのは必至である。

 

現在の旅館経営者の多くは、経営層にとってご都合主義であり、また時代の変化への対応に消極的であるばかりでなく、政府自治体の補助金に頼りきりである。

 

以前も述べたがホテル旅館に融資されている金融機関の皆様には、以下の点に該当する施設があれば早急に手を講じるべきだと伝えたい。
上記の通り利益率が低下することは明白であるため、数年以内に債務超過になる可能性が高いと考えられる。

 

<ホテル旅館の危険な兆候(症状)>

・借りているお金を返す気持ちがない経営者(借金を借金と思っていない経営者)
・年間の売上以上の借入金があるホテル旅館(例:年間売上3億なら借入金上限は3億以下)
・料理長が必要以上に権力を握っているホテル旅館(仕入れ業者等の選定権限も含め)
・自分たちの身分を第一に考える経営者(従業員より自分たちの身分が第一優先)
・自分たちはホテル経営に才能があると誤解している経営者
・リニューアルが大好きな経営者
・補助金が大好きな経営者
・歴史と伝統というまやかしを用い変化を嫌う経営者
・自宅の水道光熱費をホテルから賄っている経営者
・施設の経営状況(損益計算書、貸借対照表)を従業員等に開示しない経営者

 

これらが3つ以上当てはまると危険信号で、5つ以上なら末期症状といえるだろう。
注)借入上限の超過は、既に手遅れの領域

 

<0~2つ未満>
内科的治療で完治できるケース →当社リロホテルソリューションズの機能で改善可能
リロホテルソリューションズ (relohotel-solutions.com)

 

<3つ以上6つ未満>
外科治療が必要なケース→外科治療を中心とした再建ステージ

 

<6つ以上>
既に手遅れのケース→ 放置した金融機関にも責任の一端はあると考えるが再建は不可能
債権カットや経営層の責任をセットにした大きな決断が必要

 

第一に守るべきは、従業員の雇用と給与改定(年+3%~+5%程度)と働き方改革である。
働き方改革で言えば、ぜひ健康経営優良法人認定の取得を検討してほしい。大変細かい規定や推奨の取り組みが提起されている。

 

<健康経営優良法人(経済産業省)>
健康経営優良法人認定制度(METI/経済産業省)

 

これから年々、特に地方のホテル旅館で働く人手は減少する。
そのためには、国内外含めた人財の採用、定着、賃金上昇、働き方改革など今から手を講じていく必要がある。手遅れになる前に、ぜひ当社グループに気軽に相談してほしい。

 

<<※※ご相談窓口※※>>

株式会社リロホテルソリューションズ
リロホテルソリューションズ (relohotel-solutions.com)

 

今こそ変わる“最後のチャンス”でもあることを申し添えたい。

■プロフィール■
氏名 
田村佳克 1973年生まれ
出身地 
世界に誇る観光都市 京都 
(生まれは舞鶴市)
兄弟 
3人兄弟(末っ子)
現職 
当社代表取締役 兼 親会社/
事業管掌役員
趣味 
ゴルフ、読書、体幹トレーニング
(ピラティス等)他
特技 
早寝早起き
座右の銘 
群軽折軸(ぐんけいせつじく)

※小さな力でも数が集まれば大義を為せる