代表コラム

2022.11.10

<コラム>【一蓮托生】Vol.8 バブル崩壊後のリゾートマンション投機と現状について②

バブル崩壊後のリゾートマンション投機と現状について②

 

昭和の別荘の主流は、リゾートマンションや庭付き一戸建ての別荘であった。この種の別荘所有は単独所有という利点があるものの、年間の利用頻度は数パーセント程度とされており、極めて効率が悪いのが課題である。参考に一般的に言われている別荘所有のメリットデメリットを記載します。

 

<別荘単独所有のメリット/デメリット>

◇メリット

・行きたいときにいつでもいけるっ!
・自分の趣味趣向でレイアウトでき、また利用時の制限などがないっ!
・所有することに価値を見出せ、精神的余裕が生まれるっ!

 

◇デメリット

・年間の利用率は5%以下とされている(年平均18.2日)→無駄が多い
・1か所だから時間経過と共に利用頻度がさらに低下 →同じ場所故の飽きもある
・戸建ての別荘は庭の管理、通水通風など管理コスト負担
(固定資産税、管理費など含め年間150万~300万程度とされている)
・資産の目減りが鮮明で資産性に乏しい →再販によるキャピタルゲインは狙えない

 

これらを見ても、損得勘定で買えるほど別荘所有は甘くない。

まさに“プライスレスな価値”を見出せる方や永住をする方を除いては、決して有効な購買対象とは思えない。(あくまで私見です・・・関係者の方スミマセン)

 

兼ねてからこのような問題意識を持っていたリロバケーションズ創業者が、2000年に利用に重きを置いた「使う分だけ別荘を所有する」というコンセプトで、極めて効率を重視した余暇の過ごし方を提案してきた。現在では国内45箇所に加え、年内には東京駅周辺に別荘拠点を展開できる予定で、「リゾートに集う」+「東京に集う」を実現できることも、嬉しい限りである。

話を本題に戻すが、
現在リゾートマンション等の単独所有の難しさは大きく以下の5点とされている。

 

①リゾートマンションは投機対象になり得なかった →歴史が証明

②保有コストの負担 →管理費や税金等で年間150万から300万程度とされている

③管理の煩雑さ →リゾート地の建物管理は湿気や寒暖差など都会とは違う点

④掃除から始まり掃除で終わる別荘ライフ →掃除が趣味の方はこの限りではない

⑤年間のほとんどが不在の為、劣化が激しいさらに資産が目減りする→資産価値減退

 

これらの課題を解消できるリゾートを所有する手法は大きく分けて2つである。

 

①分譲タイプのコンドミニアムホテルの所有

②リゾート会員権の所有(上場企業体のリゾート会員権会社は当社含め3社のみ)

 

本編ではまず、分譲タイプのコンドミニアムホテルの歴史から辿っていきたい。

 

日本国内における現存するコンドミニアムホテルでは、1992年千葉の鴨川市で事業化された「鴨川グランドタワー」が、日本では初めてだと記憶している。

 

本仕組は、リゾートの分譲マンションとして販売された内の一部をコンドミニアムホテルとして、所有者が利用するとき以外、ホテルに委託し外部顧客を宿泊させ収益をシェアする仕組みである。

このメリットは、上記にも触れたが、使わない日にちを有効利用でき、そこで得た収益を管理費や固定資産税などに充当することができ、維持コストの大幅な軽減が見込まれる。(軽減割合は不明)

 

その後、勝浦ヒルトップホテル&レジデンスも同様な仕組で販売された。

 

私も鴨川グランドホテルの鈴木社長と何度もお会いしているが、鈴木社長の柔軟な発想力や行動力によって日本で初めて分譲コンドミニアムホテルを実現されたことが同業界でもあまり知られていないのが少し寂しい気持ちになる。まさにリゾート分譲とホテルを融合させたパイオニアである。

 

その時代から約30年が経過した現在、今まさに分譲コンドミニアムホテルに注目が集まっている。

 

現在箱根では新規分譲マンションが13年振りに建てられており、現在建築中ながらも、大部分の契約終了がしているとのことで、大きな反響を得ている。しかも価格は50㎡で6,000万から8,000万程度で、坪単価はなんと400万円を超えているから驚きである。

 

次号はこのロジックについて迫ってみたい。

 

次号 ~令和版分譲コンドミニアムホテルの概要と可能性~

■プロフィール■
氏名 
田村佳克 1973年生まれ
出身地 
世界に誇る観光都市 京都 
(生まれは舞鶴市)
兄弟 
3人兄弟(末っ子)
現職 
当社代表取締役 兼 親会社/
事業管掌役員
趣味 
ゴルフ、読書、体幹トレーニング
(ピラティス等)他
特技 
早寝早起き
座右の銘 
群軽折軸(ぐんけいせつじく)

※小さな力でも数が集まれば大義を為せる