代表コラム
2023.01.19
<コラム>【一蓮托生】Vol.13 コロナの教訓①
コロナの教訓①
ホテルの生産性に入る前に、今世紀最大の感染症がもたらした観光業、宿泊業への影響と、今年以降予測される同業界の動向など未来志向で語ってみたい。
<激動の2022年>
昨年の観光需要はまさにジェットコースターのごとく乱高下の激しい1年でした。
ちょうど一年前、オミクロン株の急激な感染拡大に1月連休明けからキャンセルの嵐、その後一時的に落ち着きかけた世の中も一部のマスコミの過剰な煽りを受け、一進一退の状況であった。7月の感染拡大に影響があったものの、翌月の8月は3年ぶりに行動制限のない夏となり、感染者は過去最高を更新する中、観光事業者の多くは、3年分の反動需要も重なりコロナ前水準以上の売上を確保した。
その後10月14日からスタートした全国旅行支援がスタートし、また紅葉シーズンと相まって、観光需要は活況を呈した。(急激な需要増加に対応しきれないホテルや旅館が出てきたほどだ)
一方、急激な需要増加と全国旅行支援の手続きの煩雑さに苦慮した事業者が続出した。
<マスコミの役割とは?>
これまでの3年間を振り返ると、TVを中心とするマスコミから発信される知事や医療関係者等の発言により、心身ともに疲労した方は計り知れない。
ゼロコロナ、PCR全数把握、実行再生算数、医療崩壊・・・
日本は、このワードに翻弄された3年間であったとも言える。
確かに感染症により重症化したり、特に80歳を超える高齢者の生命の脅威であったことはまぎれもない事実である。
しかしながらゼロコロナは経済その他の影響が大きい。(中国でさえ、昨年末ゼロコロナを解除した。)世界的に見れば、一定の感染対策を講じた上で日常を取り戻す方向に舵を切った1年でもあった。(日本はG7の中で、水際対策を最後まで実施していた国である事実)
現在もTVなどで、コロナの感染者や死者数が毎日発表されていることに違和感を覚える。
ここで申し上げたいことは、視聴率が取れそうなネガティブな情報を拾い、それをテレビというメディアを通じて発信し、必要以上に不安を煽る。それによって視聴率獲得する、という稚拙な手段からそろそろ脱してほしいものである。
<脱マスク元年>
昨年当社が出資するシンガポールの会社と今後の連携などMTGを行うため、バンコクに出張した際、最も驚いたのは、マスクをしているのは日本人だけであったこと。
今後日本も観光立国として市場拡大を狙うなら、今年は脱マスク元年とすべきであろう。
当社も今年の4月からマスクは任意とし、平時に戻していく努力を開始したい。
また昨年末から海外からの旅行者も日増しに増えた印象で、そのほとんどがマスクをつけていることに驚きを覚える。恐らく現地の旅行会社から、日本はマスクが必須だから公共の場では必ずマスクをつけるようにと、注意喚起をされているのであろう。
日本人としては安心感がある一方、この状況をいつまで続けるのか疑問と不安を感じているのは、私だけであろうか?
今後は早い段階で順次屋外など密室以外は、マスクをつけなくて良いという発信が必要だろう。
<コロナが宿泊業を変えた?>
コロナによって、ホテル旅館が大きく変わったこと
◆ビジネス出張の激減(リモート会議などの手法が定着)
◆旅をするという観光需要は根強い(旅をしたい人間本来の欲求)
◆助成金が観光事業者を弱体化に誘導した(補助金は麻薬)
◆人に依存したオペレーションの限界(需要増減の限界)
<今後のビジネスホテルの展望>
ビジネス出張はある意味サラリーマンにとって、癒しの時間だったかもしれない。通常の仕事場や家庭を離れ、もう一つの日常を過ごせる。そう感じていた方も多くいらしたのではないか?
一方、企業経営者の立場から申し上げると、ビジネス目的の出張は少ない方がいい。なぜなら移動時間と出張旅費は、生産性を押し下げているからである。今後ビジネス出張は一時的な需要増を除き年々縮小していくと推測。現在ビジネスホテル業態も転換期を迎えていることは火を見るより明らかである。
今後のビジネスホテルは、大きな転換期を迎えている。
次号では、今後成長の予感がする新しい形態のビジネスホテルをご紹介したい。
(生まれは舞鶴市)
事業管掌役員
(ピラティス等)他
※小さな力でも数が集まれば大義を為せる