代表コラム

2023.02.02

<コラム>【一蓮托生】Vol.14 ビジネスホテルの転換期と次世代スタイルの可能性

<ビジネスホテルの転換期と次世代スタイルの可能性>

 

これまでのビジネスホテルは、出張族だけにフォーカスした設えになっている。“ビジホ”の定番といえば、部屋の有料放送、ミニバー、スーツのプレス、マッサージ機、出張マッサージ、缶ビール1本サービス、クオカード付きプランなど、どれをとっても中年男性が好むコンテンツばかりである。

 

前回のコラムでも触れたが、ビジネス出張は年々減少する。(私見)
この分野は、完全にレッドオーシャン化しており、コモディティ化が顕著である。
故に何処のホテルも必死に試行錯誤している様子が受け取れる

 

◆リモートワーク・・・ ネット環境万全!
◆ウイークリー利用できますっ!・・・
◆マンスリー利用できますっ!・・・
◆DVD見放題・・・・
◆サウナがあれば ととのう・・・  サ活・・・ などなど

 

おやじ受けするコンテンツではあるが・・・どれも苦し紛れである。

 

今はビジネス顧客だけにフォーカスした施設づくりが大きな転換期を迎えている。

 

少し時代は遡るが、歴史あるホテルはいかにホテル内で消費させるかにこだわった。
ホテルの地下には土産物店だけでなく、理髪店、貴金属店、洋服店など、宿泊に関係のない店舗が多く入っている。これはこれで一つの戦略なのだろうが、現代において完全に時代遅れである。

 

歴史あるホテルは、

・ホテル内に飲食類を持ち込んではいけない
・持ち込む場合は持ち込み料金を要求される
・だからみんなカバンにかくして食べ物や飲み物をこっそり持って来る

 

何だか変なルールがはびこっている。
これは上記にも触れたすべてのコンテンツを施設内で完結してしまおうという古めかしい思想からくるものであろう。

そんな古い流れに新しい風を吹き込んでいるのが、大分別府にある新しいコンセプトの都市型ホテル。昨年開業し、大きな反響を呼んでいる。

 

その施設は別府駅前に展開する「ゆらり別府」である。
ホテル アマネク別府ゆらり- アマネクイン別府【公式】

 

ビジネスホテル、シティホテル、レジャーホテルなどの線引きがあいまいとなっている以上、双方向から顧客にリーチする必要がある。その点でアマネクの戦略は大変素晴らしいものがある。

 

このホテルの特徴は大きく2点

・<利用顧客層が広い> ビジネス、旅行、地元住民集いのスポットとなっている
・<HEYAZUKE>お部屋のルームキーで近隣の飲食店等の清算が1本化されている

 

<利用顧客層が広い>
このホテルに宿泊して驚いたのが、若い方の利用層が多いことである。もちろんその中でビジネス顧客も一定数が存在する。平日利用が多いビジネスと旅行需要や地元利用は週末にニーズが偏る。当該ホテルの戦略は、曜日によっていくつもの顔を持つ変幻自在なホテルである。
(ビジネス顧客だけでなく、観光、地域のコミュニティ、日帰り温浴施設など様々な場面で活用方法が多様化している。)

本来ホテルはターゲットを絞れば絞るほど有利だとされてきたが、その概念を180度覆した。

 

<HEYAZUKE>
ホテルのルームキーで、近隣の飲食店、おみやげ物店などの支払いがすべて部屋付け出来てしまうこの仕組みは、自分たちだけが良ければそれでいいという昔の発想とは真逆。
この根底にあるのが、地域活性化という思想。地域として相互扶助の観点で需要喚起を行っている点である。

 

<アマネクのHEYAZUKEの仕組>
「アマネク別府ゆらり」街の飲食店会計をホテルで“部屋付け”できるサービスを拡充すべく、『HEYAZUKE BEPPU TRIP GUIDE』を創刊! | CREA

 

今後のホテルの形は地域との共生、地域との相互扶助が必要不可欠である。

その点でアマネクが展開するゆらり別府は、次世代のホテルの形となりうると思う。
地域創生という使命を掲げた当社もこれらの取り組みを参考に今の時代に適した宿づくりを追求していきたい。

 

■プロフィール■
氏名 
田村佳克 1973年生まれ
出身地 
世界に誇る観光都市 京都 
(生まれは舞鶴市)
兄弟 
3人兄弟(末っ子)
現職 
当社代表取締役 兼 親会社/
事業管掌役員
趣味 
ゴルフ、読書、体幹トレーニング
(ピラティス等)他
特技 
早寝早起き
座右の銘 
群軽折軸(ぐんけいせつじく)

※小さな力でも数が集まれば大義を為せる