代表コラム

2023.03.02

<コラム>【一蓮托生】Vol.15 ホテルオペレーションの未来①

<ホテルオペレーションの未来①>

 

世界的なコロナウイルス感染症が、ホテル業界に変革をもたらしたのは事実である。

 

この3年間、人との接触が諸悪の根源のごとくTVなどの媒体で連日発信された。
その結果、ホテル業界以外でも、飲食店は疲弊し、学生はオンラインというあたかもニュースタイルの学習のように表現され、若者の接触が悪とされた。
結果現在の大学3年生は、学校に友達すらいないという人も多い。
大学生のみならず今春卒業する、中学3年生、高校3年生は、クラスメートの素顔を見ずに3年間を終えるという何とも切なく、不条理ともとれる終わりとなった。

 

話は、ホテル業界に戻るが、
私たちの業界においても、各宿泊施設も接客の方法を模索し続けた3年間だったと思う。
当社もお客様に安心してご来館頂くために、マスク、アクリルボードなどの設置を積極的に進めてきた。そして私たちにとっては、アフターコロナを見据え、ニューノーマルなホテルオペレーションを模索し続けた3年間でもあった。

この3年間は、私たちにとってしのぐだけの3年間でなく、水位の下がっている時期だからこそ、これまで見えなかった課題や慣習に気づかされることも多々あった。

 

具体的には次号以降で触れていく予定だが、以下の仕組みが漸く整った。

 

「オンライン予約」→「来館前の各種予約」→「チェックイン」→「滞在中の各種手配」
→「チェックアウト」まで一連の流れを自動化できる仕組みが整った。
(本格的には今年4月から当社施設に横展開を図る)

 

この自動化を推進する中で、一番話題に上がったのが、人がもてなすのがホテル(旅館)ではないのか?自動化することでCSは下がってしまうのではないか。という意見であった。

 

しかしよく考えてみればホテル側の想いとは別に、お客様が求めているは、「時間の短縮」と「利便性」の向上の2つであると考えている。現在のホテル旅館のチェックイン、アウトの時間は決まっているため、一時的に待たされることが多い。結果館内の説明がお粗末になり、不備がありクレームにつながることも増えてくる。

 

私たちの基本思想は、「手続きはデジタル、サービスは人でもてなすである」

 

ここで参考になる事例がある。
それはホテル業界同様に、コロナで大きなダメージを受けた航空業界である。

 

定期的に飛行機に乗る方は、現在の航空会社の変化に気づかれているでしょうが、現在羽田空港の国内線のチェックインカウンターはほぼ消えている。また機内預かりの手続きもすべて自動化され、人と接触せずに移動ができる。(搭乗口を除く)チェックインカウンターがなくなったことで、私たち利用者は、不満を抱くことはあるだろうか?さらに4月から自動のチケット発券機も順次なくなる予定だそうだ。同業界の戦略はすべて各自のスマートフォンで完結させ、人を介さずスムーズな搭乗と快適な空の旅の強化を進める方針が出されている。

 

3年前、某ベンチャー企業とPMS等の共同開発を開始したころ、ホテルの自動精算機なるものは過渡期の形態であり、今後は各自のスマホですべて簡潔できる仕組みが理想であるとの結論に至った。そしてそこに向けて動き出したことが思い出される。

 

結果、航空業界が進めているチケット発券機などを廃止し、個人のスマホですべての手続きを簡潔させるという方針は当社の戦略とも近しい。
(もちろんサービス形態などによる、ホテル側の理想のオペレーションの違いはあります。)

 

次号では、現在の具体的な私共のDXの事例をご紹介していきたい。
さらに、DXとホスピタリティとの相関関係についても私見を交え語っていきたい。

■プロフィール■
氏名 
田村佳克 1973年生まれ
出身地 
世界に誇る観光都市 京都 
(生まれは舞鶴市)
兄弟 
3人兄弟(末っ子)
現職 
当社代表取締役 兼 親会社/
事業管掌役員
趣味 
ゴルフ、読書、体幹トレーニング
(ピラティス等)他
特技 
早寝早起き
座右の銘 
群軽折軸(ぐんけいせつじく)

※小さな力でも数が集まれば大義を為せる