代表コラム

2023.03.16

<コラム>【一蓮托生】Vol.16 ホテルオペレーションの未来②

<ホテルオペレーションの未来②>

当社が3年の歳月をかけ、ベンチャー企業と共同で開発を進めてきた、ホテル旅館に特化したオペレーティングシステムの本格導入も間近に迫っている。この仕組みの概要や今後の可能性について少しご紹介していきたい。

 

繰り返しにはなるが、私たちの思想は観光分野における地方創生である。地方のホテル旅館の困りごとを解消し、地域に人を呼び込み、人々に余暇を謳歌して頂くことである。そのためには同業界に従事される方々の地位向上が不可欠であるのも紛れもない事実である。

 

そのためには、生産性を改善させ、結果処遇の改善につなげていく必要がある。
その視点で、以下を読んで頂くとイメージ頂きやすいと思う。

 

<顧客ニーズを集積>
顧客データの蓄積CRMを活用し、欲しい方に、欲しい情報を、欲しいタイミングでご提供できることが理想。
現在私たちは、世界で最上位のセキュリティレベルを持つ企業のCRMをカスタマイズし利用している。このデータ量が大きな財産となっており、本格スタートから1年程度であるが、ご案内メールを送付すると1回あたりで数百万の予約が入るほどまで伸びてきた。
(当社の当該プロジェクトリーダーは本当に優秀である)
この要因は単純に欲しい方に、欲しい情報を、欲しいタイミングで送付できつつある証であり、この精度はAIを駆使しているため日増しに向上している。まだまだ課題はあるが、将来的にはこの仕組みを地方のホテル旅館にも展開させていきたい。先にも触れたが地方のホテル旅館は自力をつけなければ生き残れない時代が間もなく到来する。

 

<顧客の利便性向上>
せっかちな私は、コンビニやスーパーで過度に待たされるのが嫌いである。ましてホテルとなれば尚更。しかしながらホスピタリティを謳うこの業界はなぜか顧客を待たせることへの問題意識が極めて低いと思う。
他様はさておき、人でなくてもできることは文明の利器を活用すべきである。
その視点で、予約からチェックアウトまで人の手を介さずオペレーションを行うこと想定

 

 

予約  → ・公式サイト等で行きたい施設をリロホテルズ&リゾーツのサイトで予約

 

来館前 → ・予約が完了された方にマイページを発行
・そのページから宿泊予定の施設情報やインフォメーションをデジタルで見られる。
・さらに、貸切露天風呂、誕生日ケーキ、船盛、エステ、送迎など事前に手配しておきたいコンテンツが簡単に予約可能。
・また事前に旅館業に必要な情報はWEBで入力を済ませておける

 

来館時 → ・事前登録された方にQRコードが発給され、当日はタブレットにそれをかざすだけ
余計な館内説明も受ける必要がない。(事前にインフォメーションにて開示済み)
・キーレスの場合は番号が表示されるのでその番号で部屋の解錠が可能

 

帰宅時 → マイページ上から、利用した代金のWEB決済ができる
清算や会計時に待たされることなく、スムーズにチェックアウトができる

 

 

これが何を意味するか?
予約からチェックアウトまで人の手を解さずすべて個人のスマホからの手続きで完了できるのです。

 

まだ基本が整っただけであり、今後さらにIT投資を進めていく考え。やや日本では出遅れている顔認証などの早期導入も進める考えである。(セキュリティ上も含め)

 

なぜ私たちがこの投資にこだわるか?その理由はただ1点。
ホテル旅館産業を人気の職種に押し上げるためである。(就業人口の拡大)
就業人口が増えなければ産業として発展しないからです。

 

現状のホテル旅館は、休みが少ない、給料が安い、中抜け含め拘束時間が長い、土日が休めないなど、残念ながらこれが現状です。私は思う、ホテルや旅館で勤務する方のホスピタリティは、大手航空業界のCAやグランドスタッフにも引けを取らない。しかしながら処遇は航空業界と大きく開きがある。その理由として決定的に違う点、それは生産性の進化の違いである。

 

ホスピタリティと作業を混合してしまっては、この差はいつまでたっても埋まらない。
突破口は、人でなければならないことと、人でない方が利便性を高められることを区分することにあると思う。

 

今後2年間で当社の生産性は劇的に改善するだろう。全施設で数億円分に上るとみている。
それを見越し、社員の皆様の年間休日も4月から9日増え年120日とする予定。
具体的には開示前のため発言は控えるが、給与、賞与なども向上させていく。特に当社グループ規定も準用し、賞与、決算賞与、その他業績連動賞与は過去最高水準となる見込みである。

 

生産性を高められた分をお客様や、社員やアルバイトの方に還元していくことでより一層競争力が保てる。今後は幸か不幸かオペレーター有利の時代が到来している。オペレーターの財務体質、実績がものをいう時代。ここ最近でも、委託契約に自己中心的かつ無理難題を言い出す所有者も出てきているが、勘違いしないでほしいと言いたい。

 

ホテルはハードで成り立っているのではない。人の心でもてなすことで、お客様に感動を与えているのです。(だからこそ人はホスピタリティ分野だけに専念してもらう)

 

今後の世界における人手不足はさらに加速していく。いかに限られた人員でお客様の満足度を高めていけるかが勝負の分かれ目となる。

 

来週から1か月間で4施設のホテルの開業を予定している。
次号では新しい仕組みを導入して新規開業を予定している、ゆとりろ津和野、フォートリート草津、ビューパレス那須、秋保風雅の事例なども順次紹介していきたい。

■プロフィール■
氏名 
田村佳克 1973年生まれ
出身地 
世界に誇る観光都市 京都 
(生まれは舞鶴市)
兄弟 
3人兄弟(末っ子)
現職 
当社代表取締役 兼 親会社/
事業管掌役員
趣味 
ゴルフ、読書、体幹トレーニング
(ピラティス等)他
特技 
早寝早起き
座右の銘 
群軽折軸(ぐんけいせつじく)

※小さな力でも数が集まれば大義を為せる