代表コラム

2023.05.25

<コラム>【一蓮托生】Vol.21 少子高齢化と日本の観光の可能性②

<少子高齢化と日本の観光の可能性②>

 

 

[少子高齢化]
国内に目を向けると、急激な少子高齢化が進み、約40年後の日本の人口は9,000万人を割り込むという推計がある。これはなんと現在の3割減である。

 

<現在> 約1億2,500万人 →2065年8,800万人(▲3,700万人) ※約30%減

 

また、総人口に占める高齢者人口(65歳以上)の割合の推移をみると、1950年は4.9%だったものが、1985年には10%を超え、2005年に20%、更に2023年には29.1%と急激に加速しているのが見て取れる。さらに今後は、高齢者比率は現在の29.1%(3,600万人)から2065年には38.4%と約40%相当が高齢者というなんとも、恐ろしい現実は避けられないであろう。

 

今回のコロナ禍が、1950年の高齢者4.9%と仮定したならば、今回のような保守的な政策にはなっていなかったであろう。コロナ禍の3年間は、マスコミが過剰に煽り、高齢者が不安に思い、各自治体の知事さん達が騒ぎ責任を政府に押し付ける、結果、政府が後手後手の対応を迫られる。なんとも嘆かわしい実情であったことは記憶に新しい。

 

残念ながら今後も同様のことが起こるのは、火を見るより明らかだ。

 

 

[空洞化の日本]
年頭より異次元の少子化対策と銘打って、ばらまき型の政策が発表されているが、自信を持って言えるのが、こんな愚策では少子高齢化は改善しない。(多少の増加レベル)

 

人口減少、鎖国的立場、移民比率先進国最下位、高齢者ファースト国家が続くと、少し知恵のある国民は自国を捨て海外移住という選択肢が増加していくであろう。

 

高齢者を中心とする一部の日本人は海外から移民流入に反発する一方、有能な人財は日本を出いくという構図が確実で、長期的な視点で見れば、日本の人口空洞化は避けられない。

 

 

[人口ポートフォリオと企業の寿命]
記憶に新しいのが、現在の都政を担う都民ファーストの会なるものが、話題になったが、私から言わせれば、都民ファーストならぬ、今後は高齢者ファーストがさらに加速する。

 

その理由は選挙に行くのは高齢者割合が多く、高齢者での目線を重視した政策が支持される。若者や子育て世代の目線での政策は置き去りになることが危惧される。例えばこの高齢者層は、意外とSDGSなど持続可能な社会経済活動に対し、理解が低いように思う。(私見)

 

企業経営においても同様で、当時30代だった経営層の会社も、時の流れと共に、一部経営層の保身により若手の育成や登用を阻害する。そして結果能力のある人財は流出し、「寄らば大樹的な」発想の人ばかり残り、派閥政治的な保守的経営が始まる。(ビジョンを掲げないフィクサーのような残念な経営幹部が力を持ち始める)
結果、革新的な取り組みが行われず、企業内イノベーションが起こらず、徐々に企業が衰退する。

 

成長を続ける企業のパターンは2つに大別され、1つはリクルートのように45歳定年制を引き、有能な人間は外に出て企業せよというカルチャー(常に若手によりイノベーションが起こり続け、る)、もう1つは、日本電産、京セラなどのように、創業経営者が壮大なビジョンを描き成長を牽引するケースである。残念ながら後者のケースは、カリスマ経営者が去ったあとの事業承継が最も難しいと言われている。

 

日本の人口ポートフォリオと企業の衰退が類似しているようにも感じるのは私だけであろうか?

 

ここは日本の未来像を語る場ではないので、懸念はこのあたりにしておきたいが、ここで申し上げたいのが、観光政策の拡大の必要性である。

 

移民受け入れには抵抗のある日本だが、一方観光による滞在は長くても数週間と短期であるため、比較的国民許容度が高いのだろう。

上記のように、海外ツーリストの受け入れは、必然の流れである。

 

産業が伸びれば人が必要になるし、リスキリングが加速し、それでも足りない場合は、国外の労働者に依存する動きが出始める。(これは必然の流れ)

 

次号では海外ツーリスト受入れにおける課題と改善策についても触れていきたい。

 

■プロフィール■
氏名 
田村佳克 1973年生まれ
出身地 
世界に誇る観光都市 京都 
(生まれは舞鶴市)
兄弟 
3人兄弟(末っ子)
現職 
当社代表取締役 兼 親会社/
事業管掌役員
趣味 
ゴルフ、読書、体幹トレーニング
(ピラティス等)他
特技 
早寝早起き
座右の銘 
群軽折軸(ぐんけいせつじく)

※小さな力でも数が集まれば大義を為せる