お知らせ

2022.08.04

<コラム>【一蓮托生】Vol.1

地域観光/10年後の未来予想図① 序章~思想なきマネーに翻弄~

 

2021年10月に実施された「コロナ禍で行きたい国ランキング」の堂々1位は日本。
なぜ世界中の方々が日本に行きたいのか?なぜ今日本が注目されるのか?

 

私が思う理由それは、①「南北に長い地形と風光明媚な観光資源」、②「独自の文化や歴史が今もなお継承されている」点ではないかと思う。地政学的な見地で言えば、日本は海洋国家であり、過去の歴史上、侵略を受けてない。(植民地化された歴史がない)。日本と似た地理的環境はUK(英国)だろうが、大変似た点も多い。故に独自の歴史文化が継承され、さらに観光資源が残り、それらが脈々と継承されている点も類似点も多く、ツーリストからの魅力度も高い所以ではないか。

 

今、世界中の人々が日本に注目しているという事実。

 

しかしながらその統計結果だけで、世界中のマネーが日本の観光市場に流入していることに違和感を覚える。

 

2009年10月、私がリログループの新規事業としてホテルを開始した数年後から、アジアを中心とする外国資本から、「ホテルを買うから運営してくれ!」と相当数のオファーを受けた。
結果、諸条件が折り合った某中国資本の法人のみ契約に至り、数施設のアライアンスを組んだ。しかし2020年初頭、未知のウイルスの襲来により、この投資家は早々に日本での旅館ビジネスの撤退を決断した。

 

「思想なき経営(投資)は持続しえない」ことを痛感する出来事となった。
釈迦に説法ではあるが、投資家とオペレーターの関係(取組み)は、投資家が資金を提供し、オペレーターがその施設を運営し、売上から経費を差し引いた償却前の営業利益(GOP)をシェアするのが一般的である。
お金儲けが主眼にある一部の投資家とのアライアンスは、不測の事態に遭遇すると、アンコントロールになり、結果運営の継続の大きな支障をきたすこととなる。
(現在当社と継続取引のある投資家は観光立国に向け、一蓮托生で業界の発展にご尽力頂いていることを申し添えたい。)

 

観光業界は、人類の幸福に貢献できるため、社会的意義も大きい。一方、運営サイドとしては、良いときと悪いときの振れ幅が大きいため、長期的な視点に立った、経営の安定は築きづらい。(設備交換など多額の費用も掛かる)

 

現在の国内の投資環境は、オフィス需要の低下、ビジネスホテルニーズの激減などにより、観光地に目を向ける投資家が増えているが、観光アセットへの投資は、振れ幅が大きいというデメリットがある。その実態を知らない投資家は、悪いときはその温度差(冷え込み)に耐え切れず、撤退を余儀なくされるケースが目立っている。

 

過去数十年間、このマネーに振り回されてきたのが、地方観光の現状でもある。

 

現在廃墟となっている地方のホテルや旅館は150件程度にあると言われている。
都市部は人口マーケットや土地価格が比較的高いため、転用が効きやすいが、リゾートエリアはそう簡単にいかない。

 

リゾートエリアの地価が廉価であるが故、投資家や知名度のあるオペレーターは、皆さん新築を好む。年数のたった建物は見捨てられ、廃墟が増え結果リゾートの価値を棄損している。

 

現在の実情を踏まえ、今後地方の観光地やホテル旅館が、どのような思想と戦略を持たなければならないか?
また、今後国内の観光が唯一無二の存在として、鬼才を放つことできるか?
今観光立国に向けイノベーションを起こすことができるかどうかの瀬戸際にある。

 

これから
「余暇創造」、「観光産業」、「地域創生」といった分野で皆様に想いを伝えたい。

 

 

次号:地域観光/10年後の未来予想図② ~今後10年で10%の旅館が廃業?~

 

 

令和4年8月

 

 

 

 

 

■プロフィール■
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氏名 田村佳克 40代後半
出身地 世界に誇る観光都市 京都 (生まれは京都府舞鶴市)
兄弟 3人兄弟(末っ子)
現職 当社代表取締役 兼 親会社/事業管掌役員
趣味 ゴルフ、読書、体幹トレーニング(ピラティス等)他
特技 早寝早起き
座右の銘 群軽折軸(ぐんけいせつじく)
※小さな力でも数が集まれば大義を為せる
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