代表コラム

2024.12.12

<コラム>【一蓮托生】Vol.60 女将からAIへ時代が変わるCRM領域について①

前号でも触れたように、デジタルを活用したCS向上は今後の観光産業の発展を意味する。

 

旅館などの観光産業における顧客管理は、これまでほとんどのケースが女将さんの頭の中に存在していた。顧客の顔や名前をインプットし、来館の際に前回データを活用し、素晴らしい認知力をもって顧客のパーソナルな情報をもとに志向性にリーチする。(顧客視点で個人認知は格段に満足度が上がる)

 

例えば、
・前回ご利用時に苦手食材を認知し、次回来館時に苦手食材をメニューから外す対応
・音に過敏な方には、上層階やお子様連れのお客様とは離れたお部屋をアサインする対応
・お酒、食材等の嗜好品を認知し、次回来館時にお勧めする

 

その他家族構成、趣味嗜好、性格など客観的情報を女将自身の頭からアウトプットする。

 

日本の観光産業が、世界的にホスピタリティが高いと言われる所以は、この情報認知も大きく作用しているのかもしれない。素晴らしいことであると心から称賛を贈りたい。

 

一方ここで注視しなければならないのは、女将の永続性である。

 

女将は、基本その旅館等の経営者(土地建物の所有者)である割合が高く、
結論、経営層なのである。

 

現在の旅館等の大半がこの種の個人経営(個人が株主の法人格含む)である。

 

ここで問題なのは、人の人生には終わりがあるということ。
この膨大かつ貴重なデータは、女将の引退後、何かしらの対策を講じなければ未来に引き継がれることはなく消滅してしまう。

 

このような素晴らしいデータやサービスが未来に引き継がれないことは、旅館業界にとっては大損害である。さらに言うと女将の頭脳のみで管理しているということは、所謂「俗人化」の象徴であり、これからの時代「俗人化」ビジネスは発展し得ないとさえいわれている。

 

ならばどうするか?
その解決の1つがCRMを軸としたMAツール(マーケティングオートメーション)とパーソナライゼーションと考えている。

 

<ホテル版CRMの活用>
私たちは、既に100万件を超える顧客DBを保有している。
DB作成に際しては、世界屈指のCRMパイオニアの「セールスフォース社」とのアライアンスを組んでいる。この会社のCRMはとても高額であるが、安全性が高いのも特徴である。
彼らが世界的企業であるもう一つの理由がある。
それは、CRMが単に顧客データベースの領域を超え、マーケティングクラウドという領域に対し先駆的に取り組んできた所以でもある。

------------------------------------------------------------------------------------------------------

マーケティングクラウド(Marketing Cloud)とは、セールスフォースが提供するMAツールです。
そもそもMAとは、「マーケティング活動の自動化」のことを指します。
自社の製品やサービスに関する情報を定期的に見込み客に配信するなど、従来は人が行っていた膨大な時間とコストがかかる業務をテクノロジーによって自動化することができます。

セールスフォース社HPより引用

------------------------------------------------------------------------------------------------------

 

このように、これまで女将の頭脳で管理してきたマーケティング活動が、AIに置き換わってきているのも時代の流れなのかもしれない。

 

次号では、このCRMを基盤とし、MAツールの活用、さらにはパーソナライゼーションの具体的取り組み事例や成果の一部をご紹介していきたい。

■プロフィール■
氏名 
田村佳克 1973年生まれ
出身地 
世界に誇る観光都市 京都 
(生まれは舞鶴市)
兄弟 
3人兄弟(末っ子)
現職 
当社代表取締役 兼 親会社/
事業管掌役員
趣味 
ゴルフ、読書、体幹トレーニング
(ピラティス等)他
特技 
早寝早起き
座右の銘 
群軽折軸(ぐんけいせつじく)

※小さな力でも数が集まれば大義を為せる