代表コラム

2025.05.01

<コラム>【一蓮托生】Vol.69 日本国民の金融資産2,200兆円の向かう先は・・・①

2024年6月末時点、日本の家計金融資産の総額は約2,212兆円。
内60歳以上が保有する資産は約1,400兆円で全体の約60%を占めている。

 

また直近で公表されているデータでは、
相続税(贈与税含む)で1年間に日本国民が支払った総額は3兆円(2023年実績)、
さらに死亡による国庫返納金額は605億円と4年前の1.4倍(2021年実績)となっている。

 

このように日本国民の多くが、一生懸命頑張ってきた人生も使い切らずに、自分で築いた資産の多くを国に納税や返納をしている現状である。

この原因の一つが日本人の美徳とされてきた「いかに多くの資産を蓄えるか」という価値観なのではないだろうか?
貯蓄額が自分の人生のアイデンティティを図る指標なのかもしれない。

 

以前読んだ「DIE WITH ZERO」という書籍がとても印象に残った。
資産は50歳を過ぎてから必要な部分を除き徐々に減らせという思想で、貯蓄ではなく、家族や友人との時間にお金を使うことが、最も価値のある「お金」と「時間」の使い方であると説いてある。

 

この思想は、これまでの日本人の思想と大きな乖離がある。

 

もちろん、今後の国家繁栄のため、支払った相続税を使ってほしいと願う方は一定数おられるだろうが、多くの方はこのデータを見たときこれまでの価値観を見直すべきと考える方も多いのではないだろうか。

 

日本人の象徴的な価値観は、

 

→未成年は、「偏差値の高い高校や大学に入ることを挙って競い」

→成人後、「大手企業や公官庁に就職し、その後40年間定年まで勤める」

→老後は、「貯蓄の一部を使い家族(妻や子供や孫)とのささやかな時間を過ごし」

→終活は、「多くの財産を次の世代に受け継いでいくこと」

 

これを見たときに、個人的にはさみしい気持ちに苛まれた。
国際化社会やグローバルスタンダードを叫ばれて久しいが、日本人の貯蓄思想は相当根強い。

 

何のためにこの世に生命を授かったのか?
自分の人生をどうしたいのか?
何をこの世に残したいか?

 

私は28年前、当社グループに入社し、「人生を愉しもう」という思想(フレーズ)と出会った。
現在50歳を超えこのフレーズの「価値」や「意義」の重要性をとても感じる。

 

次号では、
これから日本人がさらに豊な人生を送っていただける方法や、選択肢はないのかなど考えていきたい。

■プロフィール■
氏名 
田村佳克 1973年生まれ
出身地 
京都府
(生まれは舞鶴市)
趣味 
ゴルフ、RUN、読書、ピラティス
 他
特技・特徴
早寝早起き ・ 体の柔軟性
座右の銘 
群軽折軸(ぐんけいせつじく)

※小さな力でも数が集まれば大義を為せる