代表コラム
2025.06.26
<コラム>【一蓮托生】Vol.73 気候変動と観光産業の未来②
昨今ESGというワードが投資家の間で重要視されている。
[E] Environment <環境>
[S] Social <社会>
[G] Gavernance <ガバナンス(企業統治)>
これらの3要素を重視した企業経営がなされているかが、特に海外投資家の選定基準になるケースが増えている。これに付随し役員報酬もESG連動を進める企業なども増えてきている。
参考までに当社事例でご紹介すると、
<Environment(環境)>
・今ある施設を活かす 新築主義を排除し、現有施設の課題改善やバリューアップによる再建が主
・脱重油宣言 熱源を重油から、環境負荷が少ないヒートポンプや温泉熱を活用した熱源へ変更
・再生可能エネルギーの活用 電力も順次再生可能エネルギーにシフトし脱炭素に貢献
・Fry to Fly PJ参画 施設から排出する油を回収し、航空燃料に再利用するPJに参画
・EV充電器の設置 施設内にEV充電器を設置、EV車の促進
・SDGsスタンド アメニティの脱プラ及び脱ペットボトルへの取り組みを推進
<Social(社会)>
・子供への給食支援 WFPレッドカップキャンペーン参画
・災害時協力 国内の災害時には、客室や大浴場など無料開放を実施(能登災害、西日本豪雨等)
・清掃活動 事業所を構えるエリアにて定期的に清掃活動を実施 例)新宿本社花園神社の清掃奉仕
<Governance(企業統治)>
・プライバシーマーク12年連続認可中 個人情報管理の啓蒙を通じてお客様のプライバシーに配慮
・健康経営優良法人 3年連続認可中 社員の方々の健康増進や女性の管理職比率34%など
大枠として以上のような取り組みを実施している。
成果としてはこれからのものもあるが、これらの取り組みを通じて社会への貢献を果たしていく考えである。
また短期的視点では決して有効な投資とは見なされない領域もあるが、中長期的には独自のポジショニングが取れることで、ESGへのリテラシーの高さが結果優位性に繋がることを期待している。
ここで本題となるが、
ESGの効果をさらに出していくためには、DXも同時並行で進めることが効果的であると考えている。
改めて「DX」とは、
企業の優位性を確保するためにデジタル技術を活用しビジネスモデル、業務フロー、企業風土などの変革をもたらすもの。ここにESG重視の経営が備われば新しい日本の観光業が開けるような期待を抱いている。(DX×ESGが今後の観光産業、特に宿泊業にとって大変重要なテーマである)
現在この業界を牽引する大手資本やメジャーなオペレーターは、DXやESGに対する発信がなされることが少ないように感じている。
考えられる要因(仮説)としては、以下があげられる。
・運営会社にパブリックカンパニー(上場企業)が極めて少ない (投資家視点が欠落)
・個人経営(家業)が多く、当該領域の中長期的な投資に対するプライオリティが低い
・短期的利益の追求→この領域は短期ではなしえないだけでなく、コストがかかる
これらの課題をどのように解決していけばよいかなど、改めて考察してみたい。
(生まれは舞鶴市)
他
※小さな力でも数が集まれば大義を為せる
