代表コラム

2025.10.02

<コラム>【一蓮托生】Vol.79 サスティナブル・ツーリズムの動向と今後の可能性①

一般的に聞きなれない「エシカル消費市場」という消費行動が注目を浴びている。

 

海外では既に認知度が高まり定着を始めている市場である。特にヨーロッパはその兆候が顕著であり、特に英国における市場では日本の3倍以上と言われている。

 

「エシカル消費」とは、社会や環境に配慮した製品やサービスを選ぶ消費行動のことである。

今回の題名にもある「サスティナブル・ツーリズム」との関連性も深い。

 

具体的な消費行動としては、

 

1. オーガニック製品や持続可能な水産物食品を購入
2. 家庭・個人用品にリユース衣料、エシカルファッションを購入
3. フェアトレード、地産地消に基づいた商品を購入
4. シェアリング、リノベーションなどエシカルな生活スタイルを優先
5. 省エネ家電、再生可能エネルギーを利用
6. 旅行など移動におけるクリーンエネルギー車を優先
7. エシカル投資先への出資
8. 非エシカル商品のボイコット 等

 

消費者庁の調査によると、エシカル消費の認知度は29.3%(2023年時点)と年々増加傾向で、特に若年層(10代)で高い傾向がみられる(28.2%)。

エシカル消費への理解浸透率が若年層ほど高いというのは、将来視点でよい傾向である。
今後ホテルや旅館を選定する際にも、エシカル消費市場の観点で観光に配慮した施設が選ばれる可能性が高まると推測できる。

 

国内観光に目を向けると、以下のような重点課題が制定されている。

 

1. 環境を守る・育む
・環境負荷の少ない観光コンテンツの開発
・自然や生物多様性の保全

 

2. 文化を守る・育む
・ 地域の伝統文化の保存・継承
・外国人旅行者への文化体験の提供

 

3. 経済を守る・育む
・地域経済の活性化
・雇用創出と安定的な誘客

 

これまで、地方のホテル旅館は大手資本による利益主義の大規模開発が進められ、転売合戦が行われてきた。
これでは日本の観光に未来はない。

 

観光資源、地域の特産、神社仏閣など地域の魅力を町全体で盛り上げていくことが、今後の観光地の発展には不可欠である。さらにサスティナブル・ツーリズムの推奨、リノベーション物件、リユースなど限られた資源を無駄なく消費していく視点がとても大切である。

 

次号では、今後の観光領域における「サスティナブル・ツーリズム」について深堀していきたい。

■プロフィール■
氏名 
田村佳克 1973年生まれ
出身地 
京都府
(生まれは舞鶴市)
趣味 
ゴルフ、RUN、読書、ピラティス
 他
特技・特徴
早寝早起き ・ 体の柔軟性
座右の銘 
群軽折軸(ぐんけいせつじく)

※小さな力でも数が集まれば大義を為せる