代表コラム
2025.11.13
<コラム>【一蓮托生】Vol.82 サスティナブル・ツーリズムの動向と今後の可能性④
サスティナブルツーリズム(持続可能な観光)とは、環境・社会・経済のバランスを保ちながら観光を発展させる考え方とされている。今後観光産業を未来志向でとらえ、その課題解決に向け、今回は「ホテル旅館における<持続可能>」にフォーカスし考察してみたい。
長期的に持続可能な観光産業の在り方を模索する上で、他企業連携、自治体連携が必要となる。今回は未だ市場が形成されていないホテル旅館に特化したBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)の活用の意義と課題について触れていくが、結論から言うと、持続可能な観光産業においてBPOのニーズは拡大する可能性が非常に高いとみている。
その理由として、
<BPOニーズ拡大における市場環境>
① 世界の観光市場の拡大(中長期的には地方観光に脚光が当たると推測)
② 国内(特に地方)の人口減少→担い手不足が深刻化
③ DX加速による情報力不足
④ SNSなどの普及による、予約流入経路の多様化
⑤ 経営層の高齢化による、新しい取り組みへの敬遠
大きくは上記5つがあると考える。
これらはノンコアであれば、外部委託のメリットが大きいと考える。その理由は各ホテル旅館にはそれぞれ強みと弱みがあるからである。強みは継続し、弱みや課題部分の外注は生産性向上の点でも効果的である。
例えば、
「予約管理」 →コールセンター業務
「顧客対応」 →アイドルタイムの一次受け
「集客代行」 → OTAの在庫管理、プラン造成など
「SNS運用代行」 → インフルエンサー起用、キャスティング等の代行
「開業支援」 → 開業時におけるブランディングからシステム導入まで
結論、どの部分であろうと外注が可能である。
そして外注により、アップサイドが見込めるだけでなくノウハウも蓄積できる。
今後の展望として2030年に向けて、観光業界は「地方分散」「高付加価値」「デジタル化」を軸に成長が見込まれる。
これに伴い、観光業専用BPOサービス(多言語コールセンター、AI予約管理、データ分析)の市場は拡大することが予測され、いち早く導入することで持続可能な観光産業の発展に資するものと考えている。
当社でも2024年からホテル旅館に特化したBPOサービスを展開しているが、着実に相談案件が増えている。特にデジタルソリューション部門の相談が多く寄せられている。
レベニューマネジメントの自動化、SNSの運用代行、また新規開業時におけるデジタルオペレーションなどである。
業界向けに定期的にセミナーや勉強会を開催しているが、多いときで100社を超える企業から参加があり多くの反響を頂いていることをみると、ホテル旅館におけるBPOの流れは今後も加速が見込まれる。
当社グループは自社で約60施設のホテル運営をおこなっており、この経験値を提供できるため、机上の空論ばかリのコンサル会社とは大きく一線を画すのも特徴である。
私の願いは、持続可能な観光産業の発展の他ならない。まさにサスティナブルツーリズムの概念と非常に近しい。
これからもその実現へ向け、社会課題の解決、業界の困り事を解決できる企業集団へと進化していく考えである。
(生まれは舞鶴市)
他
※小さな力でも数が集まれば大義を為せる
