代表コラム
2026.02.12
<コラム>【一蓮托生】Vol.87 高市政権下における観光産業の未来予想図
今回の衆議院選の結果は自民党の圧勝に終わり、自民党と日本維新の会を合わせた議席は全体の2/3以上となり、参議院で否決された法案も衆議院で再可決可能な勢力図となった。
今後さらに高市政権下で消費減税、憲法改正論議、安全保障についての議論が進んでいくと予想されている。
この結果を踏まえ、観光産業にどのような影響があるのか、プラス要因とマイナス要因に分けて検証をしていきたい。
〜プラス要因〜
1. 高付加価値化の後押し発言
高市氏は外国人観光客の「量より質」を重視する姿勢を明確にし、高付加価値旅行者の誘致強化を政策の方向性として示している。この層は訪日客の1%だが消費額は全体の14%を占め、地方経済への貢献も大きいとされる。 高級宿泊施設・文化体験・スポーツ観光などの強化や富裕層向けコンテンツへの投資が加速すると期待されている。
2. デジタル化推進
人口減少を踏まえ、観光業でも省力化投資やキャッシュレス化、予約・運営のデジタル化が進むと期待されている。 自動チェックインや清掃ロボット、また、需要予測のAI化→ 深刻な人手不足の緩和も検討されており、本分野はまさに当社が重要戦略と位置付けている方向性と合致する。
3. 地方創生との連携強化(地方誘客の促進)
地方資源を活かした観光振興が推進される可能性が高い。観光庁も「観光地の再生・高付加価値化」を掲げている。 地方空港の機能強化や2次交通整備(DMO支援)、地域資源の磨き上げは、結果として訪日客の地方分散に繋がり、地域経済の恩恵が期待される。
4. オーバーツーリズム対策予算の拡充
観光庁は2026年度予算でオーバーツーリズム対策に100億円を計上し、前年度の8倍となった。高市政権でも「住民の生活の質」を重視した観光政策が引き続き推進される見込みで、 混雑対策、観光地の住民負担軽減、再訪客(リピーター)誘致施策が強化されると見られている。
この方針は、東京一強から地方への分散を図る狙いがあるともされている。
一方観光産業へのマイナス要因(リスク)も多く指摘されている。
〜マイナス要因〜
1. 成長戦略分野に「観光」が含まれなかったことによる不透明感
2025年の成長戦略で高市政権が掲げた「17の戦略分野」には残念ながら「観光」は入っておらず、業界的にも不安が残るものであった。国の後押しが弱まる懸念や観光政策の優先度低下は、インフラ整備や国際プロモーションに影響する可能性がある。
2. 観光客管理(治安・マナー)重視による規制強化の可能性
高市氏は外国人観光客の「違法行為やルール違反に毅然と対応する」と発言したと報道されており、管理強化の姿勢が強い。
3. オーバーツーリズム対策での「受け入れ制限」傾向
政府は「6,000万人目標」を維持しつつも、住民生活の質維持を最優先する方向にシフトしている模様。(入場制限・分散政策の義務化、民泊規制の強化等)
地域ごとの受け入れ調整は観光地・事業者によっては集客機会減につながる。一方これは東京一極集中の現状を打開できるチャンスでもある。
今後の長期政権が想定される中でも、地方観光にとって見ればプラス要素が多い印象である。特に観光客の地方への分散が期待できる方向性と見てよいと思う。
そこで大切なのは、各地域が海外の方に向けて独自の体験型コンテンツを提供できるかどうかである。
例えば西伊豆にある土肥金山を例に出すと、金の鉱脈が伊豆エリアに存在し、その歴史と文化にふれ、実際に砂金を取るという試みは必ず海外ツーリストにウケると感じている。
日本の四季折々の風情、歴史、神社仏閣、地域特有の体験型のコンテンツを満喫できるのは、間違いなく地方である。
(生まれは舞鶴市)
他
※小さな力でも数が集まれば大義を為せる
